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文献詳細

雑誌文献

生体の科学11巻2号

1960年04月発行

寄書

大脳皮質に於けるdendritic potentialのspike様電位とslow potential

著者: 岩瀬善彦1 溝淵孝雄1 池田卓司1

所属機関: 1京都府立医科大学生理学教室

ページ範囲:P.105 - P.107

文献概要

 大脳皮質のいわゆるdendritic potential(DP)はdendrite膜の電気現象1),或はシナップス電位2)とも云われ未だ定説が無い。これは複雑な皮質構造に対応する電位のためであることは云うまでもない。大脳皮質を直接刺激して得られるresponseの基本的波形としてはnitial positivity,持続10-20msの特有な陰性電位(DP),late negativity,late positivity,及びChangのⅡ componentである。我々3)はDP特有の陰性電位のみを対象にして極大刺激によつて継時刺激を行つたが2mm以内の誘導距離に於てはDPの加重現象は原則として認められない。更にrecovery processからDPの絶対不応期は2.5〜3.0msであり,又伝導実験などから膜(恐らくdendrite)の活動電位と伝える。尚極大以下の刺激実験に於てはGrundfestの不完全加重,Bishopの完全加重が認められ,実験条件特に刺激条件がDPの性質を全く変える様な知見を得た。そこで今回は刺激強度以外に誘導距離について実験を試みた。その結果DPは不応期をもつspike様電位(Spike)と加重可能なslow pot(SP)の二つのcomponentsより成ると考えざるを得ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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