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文献詳細

雑誌文献

生体の科学11巻3号

1960年06月発行

文献概要

論述

ジギタリスの利尿作用

著者: 田辺恒義1

所属機関: 1北海道大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.124 - P.129

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 Digitalisは医薬として記載された当初(Withering 1785)は利尿薬と考えられていた。その後心臓に対する作用が詳細に研究されるに及んで心臓作用が強調される様になつた。そしてCushny1)の記載以来,Digitalisはその強心作用によつて循環障害を取除く結果として利尿を起すという解釈が支配的になり,この考が薬理学上の定説となつた。Digitalisの主成分又は混在成分の腎臓に対する直接作用についても多くの研究がなされ,一部の薬理学者はこの二次的利尿説に疑義を抱いたが,併し多くの実験結果はこの説に合う様に解釈され時にはかなり無理なコジ付けがなされた。併し,腎臓の生理薬理や水分電解質代謝に関する知識が進むにつれて,強心配糖体の利尿作用が昔考えられた程単純なものでない事がわかつて来た。以下主に近年の成績を基礎にしてこの問題を眺めて見よう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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