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文献詳細

雑誌文献

生体の科学11巻4号

1960年08月発行

報告

大脳皮質のDendritic PotentialとAfterdischargeに対するGABAの作用

著者: 岩瀬善彦1 溝渕孝雄1 池田卓司1 漆葉昌延1

所属機関: 1京都府立医科大学生理学教室

ページ範囲:P.203 - P.206

文献概要

 大脳皮質を直接刺激して得られる所謂dendritic potential(DP)はdendrite膜の活動電位1)或いはシナップス電位2)などといわれ未だ定説がない。我々3)はDPの基本的波形である持続5〜10msの陰性電位についていろんな刺激条件(パルス幅,電位,電極配置)のもとに実験を行つてきた。更に継時刺激の実験4)からかかるDPは一定の不応期をもつSpike様電位(Spike)と加重性を有する緩電位(SP)とから成つており,前者の刺激閾値は後者にくらべて高い。勿論SPのみは単独に記録することができるが,刺激を少しずつ強くするとSpikingを起して遂にはSpikeが得られる。かかる実験と嗅球皮質5)の直接刺激で得られた結果からSpikeは表層に密に存在しているapical dendrite膜の活動電位であると云える。併しSPについては加重性を示す電位であると云う以外は発生部位についても分つていない。併しながらChangのrecovery process,或いはGrund festの不完全加重,Bishopの完全加重はSpikeとSPの基本的性質を夫々示すもので,DPに関する従来の諸説を統一的に解釈することが出来た。
 今回はかかるSpikeとSPに対するGABAの作用及び皮質の単一刺激によるAfterdischarge(AD)とrhythmic waveの出現について興味ある所見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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