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巻頭言
日本生物物理学会の発足に寄せて
著者: 熊谷洋1
所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.1 - P.1
文献購入ページに移動 物理,化学,生化学,医学,農学,工学及びその他の部分の広い範囲に互る会員の支持と要望と,準備委員の献身的努力とによつて去る12月10日に日本生物物理学会が創立された。準備委員の構成も広い部門に亘り,所謂異質的な事が特徴的であつて,生物物理学の目的や定義についてはガクガクの論義がくりかえしくりかえし行われて,その結果本号52頁に見られる通りの設立趣意の名文となつてあらわれた次第である。端的に云うと,在来の化学並び生物学に並立するものではなくて,これらすべてをintegrateする高い次元に立つているものを考えている訳である。
分化し細分して,いろんな学会が次々と誕生していく事に対して,かなりの批判のあることも事実であるが,他面又既存の学会をintegrateする高い次元の学会が生まれてもよいであろう。この学会はまさに今後の発展に期待をもたれる学会であつて,殊に現在学生ないし少壮研究者の中に,次代の生物物理学的推進の主動力を求めようと希願するものである。
分化し細分して,いろんな学会が次々と誕生していく事に対して,かなりの批判のあることも事実であるが,他面又既存の学会をintegrateする高い次元の学会が生まれてもよいであろう。この学会はまさに今後の発展に期待をもたれる学会であつて,殊に現在学生ないし少壮研究者の中に,次代の生物物理学的推進の主動力を求めようと希願するものである。
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