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文献詳細

雑誌文献

生体の科学12巻2号

1961年04月発行

綜説

Oxidative Phosphorylation

著者: 萩原文二1

所属機関: 1大阪大学理学部生物学教室

ページ範囲:P.54 - P.61

文献概要

 Ⅰ.まえがき
 oxidative phosphorylationとは広義には酸化還元反応と共軛して燐酸化反応が起り,前者によつて遊離されたエネルギーを高エネルギーの燐酸化合物の形に変換する現象である。しかし現在,この言葉は末端呼吸系(ピリジン助酵素やフラビン酵素を含めたサイトクローム系)と共軛した燐酸化,即ちrespiratory-chain phosphorylationの意味につかわれている。
 生体内に於ける各種の生理反応をエネルギーの立場から見ると,すべての反応はエネルギー要求反応(endergonic functions)とエネルギー遊離反応(exergonic functions)とにわけることができる。例えばアミノ酸から蛋白質,脂肪酸から高分子の脂質,グリコースからグリコーゲンや澱粉などがつくられるときのように,簡単な物質から高分子の物質が合成される反応は殆んど例外なく外からエネルギーを与えないと起らない。更に筋収縮のような機械的な仕事をするためにも,また濃度勾配に反して特定物質を必要な場所にとり入れる所謂active transportを行うためにもエネルギーが要求される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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