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第38回日本生理学会シンポジウム総括報告
(7)神経系における抑制と促進の機構
著者: 吉井直三郎1
所属機関: 1大阪大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.190 - P.193
文献購入ページに移動(1)ニウロンの集団反応としての脳波は,一方の極は行動と,他方の極はニウロン活動とつながり,両者をむすび付ける仲介者として,またかつては末梢反応を通じて想像していた中枢活動を直接観察する手段として,役立つております。現在では私達は皮質皮質下脳波を,同時に多数の領域から,記録出来ますので,私達は脳波記録を見れば,個体が睡眠状態にあるか,覚醒状態にあるか,或はまた注意集中状態にあるかを判断出来るようになりました。また発作波を見ると,どういう種類の発作か,それは何処に焦点があるのかということも判るのであります。しかし最もむつかしいのは,脳波を見て,どういう種類の感覚刺激が与えられたのか,どういう末梢反応がおこつたのか,判断することであります。
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