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綜説
ミオシンATPase活性中心
著者: 堀田健1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.256 - P.263
文献購入ページに移動 序論
筋肉蛋白質の組織的な研究がSzent-gyorgyi,Engelhardt***よつてはじめられて以来,筋肉に収縮の分子レベルでの本質は,ミオシンBとATPの相互作用並びにATPの加水分解が関連しているということは多くの人々によつて認められている。事実,ATPは殆んどミオシンA—筋肉蛋白の1単位成分—によつて加水分解されるので,游離ミオシンによる基質の加水分解現象は筋肉蛋白の諸性質の一環として鋭意研究がつづけられている。もつとも筋肉内でのミオシンの役割は游離されたものよりはるかに複雑ではあろうが。
ミオシン内でのATPase活性中心は多分ミオシンのなかで数コのアミノ酸残基が特殊な配列をもつた分子全体からみればほんの少部分にすぎないであろうと想像される。然し活性中心を単なる数コのアミノ酸残基の配列としてでなく,分子全体との関連に就て本質を考えることが重要であることをここで強調したい。
筋肉蛋白質の組織的な研究がSzent-gyorgyi,Engelhardt***よつてはじめられて以来,筋肉に収縮の分子レベルでの本質は,ミオシンBとATPの相互作用並びにATPの加水分解が関連しているということは多くの人々によつて認められている。事実,ATPは殆んどミオシンA—筋肉蛋白の1単位成分—によつて加水分解されるので,游離ミオシンによる基質の加水分解現象は筋肉蛋白の諸性質の一環として鋭意研究がつづけられている。もつとも筋肉内でのミオシンの役割は游離されたものよりはるかに複雑ではあろうが。
ミオシン内でのATPase活性中心は多分ミオシンのなかで数コのアミノ酸残基が特殊な配列をもつた分子全体からみればほんの少部分にすぎないであろうと想像される。然し活性中心を単なる数コのアミノ酸残基の配列としてでなく,分子全体との関連に就て本質を考えることが重要であることをここで強調したい。
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