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文献詳細

雑誌文献

生体の科学12巻6号

1961年12月発行

文献概要

論述

各種神経細胞の樹状突起の活動特性について

著者: 岩瀬善彦1

所属機関: 1京都府立医科大学生理学教室

ページ範囲:P.264 - P.278

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 dendrite(樹状突起)は中枢神経系特に脳でよく発達しているが,その活動特性についてはまだ明らかでない。これに反しザリガニ張受容器ネウロンのdendriteはKuffler等1)によつてくわしく検討されている。即ちdendrite末端の変形によつてgenerator potentialが発生し,これが細胞体に電気緊張的に拡がつて細胞体の静止電位を減少(8-12mV)させ,細胞体の放電を起させるのである。それではdendriteにはspikeが発生しないかといえば,細胞体に近い部分においては細胞体と同じspikeが発生することが認められている。所が中枢神経系ネウロンに於けるdendrite活動については意見が区々である。Adrian2)は大脳表面を直接電気的に刺激することによつて経過のおそい(持続10-20msec)表面陰性電位を初めて記録した。その後この反応はdirect cortical response(DCR)と呼ばれる様になつたが,Chang3)は距離-振幅の関係,逆向刺激等の実験の結果から,この反応は皮質第一層に密に存在するapical dendriteの末梢の活動に基づくと推定し,dendritic potentialと名づけた。尚DCRに関しては鈴木4)の詳しい綜説が既にあるので参照されたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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