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文献詳細

雑誌文献

生体の科学12巻6号

1961年12月発行

文献概要

報告

負性容量増幅器の発振を利用した簡便な高周波補償調整法—特に温血動物中枢神経系の細胞内誘導のために

著者: 中村久吾1 丸山直滋1

所属機関: 1新潟大学医学部脳研究所

ページ範囲:P.287 - P.292

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 はじめに
 一般に細胞内電位の誘導を目的とする場合,直流増幅器が用いられる。ガラス微小電極は,通常数+MΩの高抵抗であるために,増幅器の入力容量,グリッドリード線の接地点に対する浮遊容量及び後述の電極容量の存在によつて,入力波の高周波成分は著しい減衰を受ける。実際スパイク電位は,かなりの歪を受けている。現在この様な場合の高周波成分の補償には,負性容量増幅器が極めて有用であると実証されている1)3)4)6)8)12)。しかしこの増幅器の高周波補償をとるための負性容量調整法は,適当な矩形波入力に対する増幅系のレスポンスを観察し,時定数が最小になるように負性容量を調整するというもので,かなり手数のかかるものであつた。更にこの調整は,電極が細胞膜を貫く直前に行なうことが必要である。しかし私達の研究室で行なつているような温血動物の中枢神経系の細胞内誘導では,電極が細胞膜を貫く時期を全く予測できないので,電極の進行に伴いできるだけ頻回に調整することが必要となり,上記の如き調整法は,繁雑過ぎて実用にならない。現在以下に明らかにする負性容量増幅器の発振を利用した簡便な負性容量調整法を考案し,良好な成積を収めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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