icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学13巻1号

1962年02月発行

文献概要

綜説

Hydroxylation—主として芳香族化合物の生化学的Hydroxylationについて

著者: 阿南功一1

所属機関: 1東京医科歯科大学生化学教室

ページ範囲:P.10 - P.17

文献購入ページに移動
 Hydroxylationとは一般的にはR→R-OHの如きhydroxyl group導入を起す反応のことであり,C-C,C-O-C,C-O-P,C-S等の結合の水解的開裂により-C-OHの如く-OH基が導入される反応は含まれない。生化学において種々の興味ある問題を提供するのはaliphatic化合物の水酸化(今後の研究により展開されるかも知れないが)よりもaromatic化合物の水酸化反応である。糖質や脂酸等のaliphatic chainにおける-OH基の生成反応は前述の水解によるもの,Hdonor存在下に酵素による【>C=Oや-C<HO】の還元,及び低級脂酸の酸化の過程でintermediateとして生成されるらしいHO-R-COOH等である。
 一方aromatic化合物の生体における酵素的酸化ではしばしば-OH基の生成導入が行われることが多くの例で知られている。また生体にとつては異物的な種々の環状化合物が体内で解毒される過程の重要なものの一つとしてhydroxylation反応があり,かくして導入された-OH基はglucuronideやsuegate conjugateとして体外(尿中)へ排泄される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?