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綜説
ポルフィリン環の生合成
著者: 佐野晴洋1
所属機関: 1京都大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.120 - P.130
文献購入ページに移動 Ⅰ.緒言
ポルィリンは広く動物界,植物界を通じ分布している一群の色素群を云い,この中でも遊離のポルフィリンとして存在する量は正常時に比較的少く,大部分はポルフィリンの鉄化合物であるヘム(全ヘムの70〜80%は血色素,10%はミオグロビン)又はヘム蛋白(全ヘムの1%,cytochrome a,b,c型,catalase,peroxidase等)と植物界のMg化合物であるクロロフィルの形で存在している。
1880年以来,Hoppe-Seyler,Nencki,Küster,Willstäter等のポルフィリンに関する化学的研究があつたが,それらの業蹟の最も完成された形として現れたのはHans Fischer一派の仕事であり,就中ヘム全合成の偉業に対しては1930年度のノーベル賞が受与されている。ポルフィリン及びピロールの有機化学を専攻する者にとつては彼の著した"Die Chemie des Pyrrols"3巻を熟読する必要がある。
ポルィリンは広く動物界,植物界を通じ分布している一群の色素群を云い,この中でも遊離のポルフィリンとして存在する量は正常時に比較的少く,大部分はポルフィリンの鉄化合物であるヘム(全ヘムの70〜80%は血色素,10%はミオグロビン)又はヘム蛋白(全ヘムの1%,cytochrome a,b,c型,catalase,peroxidase等)と植物界のMg化合物であるクロロフィルの形で存在している。
1880年以来,Hoppe-Seyler,Nencki,Küster,Willstäter等のポルフィリンに関する化学的研究があつたが,それらの業蹟の最も完成された形として現れたのはHans Fischer一派の仕事であり,就中ヘム全合成の偉業に対しては1930年度のノーベル賞が受与されている。ポルフィリン及びピロールの有機化学を専攻する者にとつては彼の著した"Die Chemie des Pyrrols"3巻を熟読する必要がある。
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