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文献詳細

雑誌文献

生体の科学13巻3号

1962年06月発行

文献概要

綜説

運動系の生理学の2,3の問題

著者: 島津浩1

所属機関: 1順天堂大学医学部第二生理学数室

ページ範囲:P.131 - P.144

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 Ⅰ.緒論
 運動系の生理学の歴史をふりかえつてみると,そこにはいくつかの研究のピークがあつたように思われる。中枢神経系の生理学的研究の端緒となつたFritsch & Hitzigの大脳皮質刺激実験はしばらくおき,系としての運動の機構を体系化した第1のピークはいうまでもなくSherrington及びMagnusによつて代表される脊髄反射及び姿勢反射の研究であろう(Creed,Denny-Brown Eccles,Liddell & Sherrington,1932;Magnus,1924)。彼等およびその協同研究者達によつて,運動系についてわれわれが今日もちいている多くの生理学的概念はほとんど余すところなく提起されたといつても過言ではない。
 Sherrington学派の多くの研究のなかでその後の研究に大きな影響をあたえた偉大な足跡は,第1に反射性緊張reflex tonusの概念を提唱して姿勢postureの維持を運動movementから区別したこと,第2に姿勢反応sustained postural reactionと相動性運動quick phasic movementを運動系の異なる機能的単位に求めたこと,第3に中枢神経系における相反性神経支配reciprocal innervationの原理を確立したことの3つが数えられるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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