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文献詳細

雑誌文献

生体の科学13巻3号

1962年06月発行

文献概要

論述

終板の電気現象

著者: 竹内昭1

所属機関: 1順天堂大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.152 - P.162

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 原形質による連絡のない細胞間に興奮の伝達が起る場合,第二の細胞を興奮させる中介者が,第一の細胞の活動電流か又はそれから遊離された化学物質によるかで,電気的シナプスと化学的シナプスとに大別される。従来見出されているものは多く化学的シナプスであり,神経筋接合部はこの一つの代表とみなされる。
 神経筋伝達についても,古くは電気説と化学説との間で論争が行われたが,現在では化学的伝達説が確立されている。この説の基礎となつた事実としては,終板が種々の薬物に敏感であること。(例えばニコチン43)44)やアセチルコリン(Ach)2)。特に後者は神経を刺激しながら筋を灌流した灌流液の中に認められることから12),神経筋伝達の伝達物質として重要な意義を持つている。)クラレの様な薬物が選択的に神経筋伝達を遮断すること。コリンエステラーゼが終織化学的に高濃度に端板に認められ39),又抗コリンエステラーゼ剤によつて神経筋伝達の効果が増し,その持続時間が延長すること17),神経組織でAchが合成され,又これからAchが抽出されること22)46)47)等であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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