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綜説
自律神経節伝達における現在の問題
著者: 藤原元始1
所属機関: 1京都大学薬理学教室
ページ範囲:P.168 - P.181
文献購入ページに移動 Ⅰ.緒言
自律神経節の生理及び薬理については優れた綜説3)4)86)134)145)150)189)が数多く,そのうち島本172)は神経節遮断剤に関連して2,3の示唆的な問題を提起している。ここではその後の神経節生理及び薬理の発展を中心として論述する。先ず自律神経節の形態的特徴を述べ,次いでその機能及び興奮伝達機構に論及し,最後に自律神経節を中心とした薬物効果に及ぶこととする。
神経節をとり囲む組織は比較的硬固で柔軟性に乏しいことが,神経節における衝撃伝達機構の究明に特に電気生理学的方法の応用を阻んでいる。従つて神経筋接合部の研究に比して,自律神経節の生理及び薬理学的研究は不利な位置にある。しかしこの両者における伝達機構には類似点が多く143),一方における結論を他に適用するのが常である。しかし尚両者は多くの点で形態的及び機能的に異るので,薬物作用の面でも少からず相違することを銘記すべきである。
自律神経節の生理及び薬理については優れた綜説3)4)86)134)145)150)189)が数多く,そのうち島本172)は神経節遮断剤に関連して2,3の示唆的な問題を提起している。ここではその後の神経節生理及び薬理の発展を中心として論述する。先ず自律神経節の形態的特徴を述べ,次いでその機能及び興奮伝達機構に論及し,最後に自律神経節を中心とした薬物効果に及ぶこととする。
神経節をとり囲む組織は比較的硬固で柔軟性に乏しいことが,神経節における衝撃伝達機構の究明に特に電気生理学的方法の応用を阻んでいる。従つて神経筋接合部の研究に比して,自律神経節の生理及び薬理学的研究は不利な位置にある。しかしこの両者における伝達機構には類似点が多く143),一方における結論を他に適用するのが常である。しかし尚両者は多くの点で形態的及び機能的に異るので,薬物作用の面でも少からず相違することを銘記すべきである。
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