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綜説
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Ⅰ.はしがき
ホルモンの作用機構を酵素系と直接結びつけようとする試みは,近代の生化学における一つの流れであるが,この様な試みから生れた業績の多くが,後になつて,その生物学的意義を疑われるに至つたことを考えるとき,この種の業績の評価に当つては,極めて慎重でなければならない。
しかし,Sutherland1)は,10年に亘るepinephrineの研究を通じて,ホルモンの作用を無細胞系において呈示することに初めて成功した。このことは,ホルモンの作用は酵素レベルにおいて解明し得るであろうという希望を強めるものであつた。
ホルモンの作用機構を酵素系と直接結びつけようとする試みは,近代の生化学における一つの流れであるが,この様な試みから生れた業績の多くが,後になつて,その生物学的意義を疑われるに至つたことを考えるとき,この種の業績の評価に当つては,極めて慎重でなければならない。
しかし,Sutherland1)は,10年に亘るepinephrineの研究を通じて,ホルモンの作用を無細胞系において呈示することに初めて成功した。このことは,ホルモンの作用は酵素レベルにおいて解明し得るであろうという希望を強めるものであつた。
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