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特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
蛙皮電位と蛙皮電流
著者: 伊藤嘉房1
所属機関: 1名古屋大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.257 - P.266
文献購入ページに移動2)蛙皮に於ける濃度電位差曲線の特徴ある形は,細胞内のイオン組成の変化を考慮する事によつて説明される。
3)両側の溶液のイオン組成が対称でない時の短絡流は,2枚の膜の存在を考慮する事により,蛙皮を貫らぬいてのイオンの電気化学ポテンシャルの勾配によつて説明される。
4)蛙皮を浸す溶液の組成を変えた場合の遷移現象は,細胞内のイオン組成が約20分の半減期をもつて新らしい平衡に達するためと思われる。
5)細胞内の負電位は負イオンの蛙皮透過を抑制すると考えられる。
6)G-Strophanthinによる能動輸送の停止は蛙皮の電気抵抗の上昇をもたらすが,これは細胞内のKイオンがNaイオンに置換されるためと思われる。
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