icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学13巻5号

1962年10月発行

文献概要

特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから

蛙皮電位と蛙皮電流

著者: 伊藤嘉房1

所属機関: 1名古屋大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.257 - P.266

文献購入ページに移動
 1)蛙皮の電気的性質の研究史を簡単に概括しUssingのモデルのevidenceとなる事実として,蛙皮を貫らぬいての電位勾配・蛙皮電位・浸透圧変化による蛙皮の膨潤・蛙皮の電気抵抗に関する研究の結果を述べた。
 2)蛙皮に於ける濃度電位差曲線の特徴ある形は,細胞内のイオン組成の変化を考慮する事によつて説明される。
 3)両側の溶液のイオン組成が対称でない時の短絡流は,2枚の膜の存在を考慮する事により,蛙皮を貫らぬいてのイオンの電気化学ポテンシャルの勾配によつて説明される。
 4)蛙皮を浸す溶液の組成を変えた場合の遷移現象は,細胞内のイオン組成が約20分の半減期をもつて新らしい平衡に達するためと思われる。
 5)細胞内の負電位は負イオンの蛙皮透過を抑制すると考えられる。
 6)G-Strophanthinによる能動輸送の停止は蛙皮の電気抵抗の上昇をもたらすが,これは細胞内のKイオンがNaイオンに置換されるためと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら