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特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
薬物による中枢機能の解析
著者: 安原基弘1
所属機関: 1関西医科大学第二生理学教室
ページ範囲:P.10 - P.20
文献購入ページに移動 私はかつて本紙に発表した「網様体と誘発電位」という論文1)に於いて,Barbiturateによる作用態度の相違からMagoun2〜4)のascending reticular activating systemはJasper5)のdiffuse thalamocortical projection systemとは異なる経路によつて大脳皮質に到達することを主張したが,これと同様の考え方はその後Domino6)やKing7)によつても報告され,又同時にこの頃より生理学者の間にも薬物を応用して中枢の働きを明らかにしようとする試みがなされるようになつた。時実たち8〜13)のlimbic systemに関する研究もその一つであり,彼らはAtropineとかChlorpromazineがそれに強い作用を示すところから,limbic systemをascending reticular activating systemより区分しているが,このように薬物を上手に使用することによつて純粋に生理学的な方法では知ることの出来ない或いは知ることの困難な中枢神経の機能をより簡単に知ることが出来るのではないかと思う。
従来薬理学とはいろいろの薬物の作用機序を明らかにする学問であるが,私はむしろ前述したように薬物によつて逆に中枢の機能を究明することも薬理学の大きな使命ではないかと思う。
従来薬理学とはいろいろの薬物の作用機序を明らかにする学問であるが,私はむしろ前述したように薬物によつて逆に中枢の機能を究明することも薬理学の大きな使命ではないかと思う。
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