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文献詳細

雑誌文献

生体の科学14巻2号

1963年02月発行

文献概要

論述

ミオシンA-ATPaseの活性中心について

著者: 東尚巳1

所属機関: 1北海道学芸大学旭川分校

ページ範囲:P.89 - P.99

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 筋肉の構造蛋白質であるミオシンがATPの加水分解を触媒する酵素そのものであるというEngelhardtとLjubimova1)の発見以来,この酵素について多くの人達の研究2)3)が行なわれ,それが筋収縮に欠くことのできない本質的な役割りを果していることが疑いのないところとなった。筋収縮の現象を分子論的立場に立つて理解するためには,ミオシンAのATPaseとしての性質,特にその活性中心の性質,およびその近傍の1次および2次構造を知ることがもつとも必要なことである。我々は既にミオシンAによるATPの加水分解がミオシンのリン酸化を伴う反応と伴わない反応の2経路によることを推定し4),ミオシンのリン酸化にもとづく筋収縮の分子論的考察を既にまとめている5)。ここでは主にATPによるミオシンのリン酸化を伴わない反応の活性中心の性質に焦点をしぼつて述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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