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文献詳細

雑誌文献

生体の科学14巻3号

1963年06月発行

文献概要

論述

Mauthner細胞に於けるシナップス抑制の解析

著者: 古河太郎1 深見安1 朝田芳男1

所属機関: 1大阪市立大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.110 - P.128

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 Ⅰ.緒言
 Mauthner細胞は硬骨魚類の延髄の深部に左右1対だけ存している大型の神経細胞であつてその特異な形態のため組織学者の興味を引き,神経の線維連絡ないしシナップスの微細構造等に関してすぐれた研究が古くからなされて来ている1)2)3)一方神経生理学的の方面よりの研究は田崎等4)によつて先鞭がつけられその後もRetzlaff等により続けられて来たが5)6),この細胞の電気活動の種々の様相を明らかにしたのはFurshpan及び古河による研究が最初7)8)であるといつて過言でない。
 さてこの細胞の活動には特異な点が多いが,その一として軸索側枝性抑制が極めてよく発達している事を挙げる事が出来る。大体シナップスに於ける抑制を研究するに当つてその抑制作用が強力であると同時にそれが興奮性作用と混合せずに選択的におこされうるという事が大切であるが,この細胞はその点極めて適当した材料であつて現在迄にその軸索側枝性抑制に作用機序の上から3種類のものが存在する事が判明している。その内一つはいわゆるpresynaptic inhibitionに属するもの9)であるが,紙面の都合で今回はそれについては言及せずpostsynapticに働くと考えられる抑制機序2種類について説明したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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