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文献詳細

雑誌文献

生体の科学14巻4号

1963年08月発行

文献概要

論述

不連続制御としての呼吸運動調節

著者: 畠山一平1

所属機関: 1横浜市立大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.160 - P.171

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 I.はじめに
 生体諸機能の調節には閉回路としての反射機構が最も重要な役目を演じていることはいうまでもない。HolstおよびMittelsteadt14)はこの点に注目し閉回路を構成する求心性神経をReafferenzと呼びReafferenzprinzipなる学説を展開した。周知のようにこの十年間における自動制御理論およびその応用の発展にはめざましいものがある。Mittelsteadtのこの学説も自動制御理論を範としたものであつた。自動制御理論と生体調節論は彼のCyberneticsにおいて共通の理念の下に取り扱われるものであるが,残念ながら生体は誠に巧妙な調節機構を持つているにもかかわらず,その構成はいたつて複雑であつて理論的解決のためには尚多くの知見を加えねばならない。
 工学上においてもその取扱う現実の対象は初期の自動制御理論におけるように線型の性質を持つているとみなすことのできぬものが少くない。これを解決するために多くの研究者が努力した結果非線型制御理論が相当の高さにまで磨き上げられ高度の制御技術として広く応用されつつある。一方制御量その他を連続量としてではなく非連続量たとえば一定時間間隔毎に得たサンプル値として取扱う非連続制御の技術も高度に発展するに至つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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