文献詳細
論述
文献概要
松果体の生理的意義は,内分泌学の領域では比較的不明なままで取り残されていたが,1954年Kitay & Altschule5)によつて松果体に関する従来の研究が集大成されて以来,急速に新しい事実が発見され,古くから行われた研究の再検討と新しい方向への発展がみられるに至つた。私らが1940年から性腺との関係を検討した成績1〜4)も,その一部が発展したままで今日に至つている。そこで"The Pineal Gland"の綜説以後に現われた研究の主なものをとりあげ,松果体が実際に生体の中で,生理的に意義をもつかどうかということに重点を置いて綜説する。
A)松果体の生化学:従来行われた松果体に関する研究は,松果体から得た抽出物の生物学的活性を検討することによつて,松果体の生理的意義を見い出そうとしたものが多く,抽出物の中に化学的にどのような物質が含まれているか,また松果体自身がどのような生化学的特徴をもつかに関する研究は非常に少なかつた。
A)松果体の生化学:従来行われた松果体に関する研究は,松果体から得た抽出物の生物学的活性を検討することによつて,松果体の生理的意義を見い出そうとしたものが多く,抽出物の中に化学的にどのような物質が含まれているか,また松果体自身がどのような生化学的特徴をもつかに関する研究は非常に少なかつた。
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