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論述
脊髄反射に対する中枢支配—運動パターン形成に関係した2,3の要因
著者: 塚原仲晃1
所属機関: 1東大医学部第2生理学教室
ページ範囲:P.212 - P.220
文献購入ページに移動 I.はじめに
運動の発現にあづかる神経機序を考えるときに最も重要な概念は,反射性緊張(relfex tonus)と,相反性神経支配(reciprocal innervation)とされている。Sherington学派によつて,確立されたこの基本的問題をめぐつて2)33),その後の研究は,それぞれ独立した発展を示し,今日にいたつている。したがつて脊髄の反射機構にたいする中枢支配の問題を考えるときにも,反射性緊張にたいする中枢支配と,相反性神経支配をめぐる中枢の関与という問題に整理できるであろう。
姿勢反射に対する中枢性支配に関しては,Magoun一派により広汎性支配(generalized action)の概念が提唱され,これは脊髄に備つている相反性機序とは異質の神経機序として注目された(Magoun & Rhines,1946)(29)。その後Sprague & Chambers(1954)35)は,この説に対して全面的な反駁を加え,その論争は決定的な実験結果が得られないまま今日にいたつている。
運動の発現にあづかる神経機序を考えるときに最も重要な概念は,反射性緊張(relfex tonus)と,相反性神経支配(reciprocal innervation)とされている。Sherington学派によつて,確立されたこの基本的問題をめぐつて2)33),その後の研究は,それぞれ独立した発展を示し,今日にいたつている。したがつて脊髄の反射機構にたいする中枢支配の問題を考えるときにも,反射性緊張にたいする中枢支配と,相反性神経支配をめぐる中枢の関与という問題に整理できるであろう。
姿勢反射に対する中枢性支配に関しては,Magoun一派により広汎性支配(generalized action)の概念が提唱され,これは脊髄に備つている相反性機序とは異質の神経機序として注目された(Magoun & Rhines,1946)(29)。その後Sprague & Chambers(1954)35)は,この説に対して全面的な反駁を加え,その論争は決定的な実験結果が得られないまま今日にいたつている。
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