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文献詳細

雑誌文献

生体の科学14巻6号

1963年12月発行

文献概要

特集 興奮收縮伝関

興奮収縮連関

著者: 酒井敏夫1

所属機関: 1東京慈恵医大生理学教室

ページ範囲:P.295 - P.302

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Ⅰ.緒言
 骨格筋を収縮させるためには,直接,或は神経を介して間接的に刺激が与えられ,形質膜に一定の電気的変化が起ることが必要である。刺激が与えられると形質膜に脱分極(depolarization)が生じ,この脱分極が一定の値(臨界値,critical level)に達すると刺電位(spike potentia1)が生じて,これが形質膜に沿つて筋線維全長に伝播する(活動電位,action potential)。この活動電位の発生により,筋線維を構成する収縮物質系(contractile elements)が,短縮或は張力(tension)発生という筋収縮を起す。(muscular contraction)
 活動電位の発生(興奮,excitation)から筋収縮(contraction)の発現に至る過程に関しては,すでに1800年代の頃からEngelmann,Retziusらによつて論ぜられていた。しかし,再びこの問題が脚光をあびるようになつたのは,Sandow36)(1952)が興奮と収縮の間に"一連の生理学的連鎖反応の存在"の仮説を提案し,この連鎖反応にexcitation-contraction coupling(E-C coupling)なる名称を与えたことからといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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