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文献詳細

雑誌文献

生体の科学15巻2号

1964年04月発行

文献概要

論述

酵素系のFeedbacについて

著者: 畠山一平1

所属機関: 1横浜市大医学部生理学

ページ範囲:P.54 - P.65

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 Ⅰ.Feedbackとは何か
 いう迄もなく最近における酵素学の進歩にはめざましいものがあり,これを専門としている者でなければ酵素学的問題について広く論を進めることはむずかしい。しかも酵素学が最も近代的な若い学問として更に発展して行くためには,進んで他の領域の成果をとり入れこれを大いに活用しなければならない。最近酵素学においても物理学的工学的用語であるfeedbackが用いられるようになったのも当然と思われる。しかしfeedbackという言葉は彼のWienerのcybernetics以来生物学でも広く用いられるようになつたが,その意味するところは簡単でなく,素朴な理解だけでこの言葉を乱用してはならない。筆者は元来生理学を専門としており,而も主として生物物理学的な立場で研究を進めて来たので酵素学そのものについての知識は浅く酵素学の詳細にわたつて正当な批判をする力はないが,一面生理学者としての見方があり,殊に生体調節論の立場から酵素反応系の調節機構に興味を持つていた。7)今回酵素系のfeedbackについての意見を求められたのを機会に筆者の立場から平生感じているところを記述し,諸氏の批判を受けたく思う次第である。
 論を運ぶに当りまずfeedbak調節についての基本的な事項を反省しその内容をはつきりさせておきたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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