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文献詳細

雑誌文献

生体の科学15巻2号

1964年04月発行

文献概要

論述

キモトリプシンの抗炎症作用

著者: 八木国夫1 松岡芳隆2

所属機関: 1名大医学部生化学 2エーザイKK研究所生化学部

ページ範囲:P.90 - P.100

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 はしがき
 酵素の生体における重要性の認識や酵素に関する知見の進歩に従つて"酵素の医薬応用"は当然注目されねばならない問題となつてきた。こうした応用で比較的早く開かれた分野は,"ジアスターゼ"や"パンクレアチン"のようないわゆる消化酵素を経口的に用いるということで,この方面も徐々にではあるが進歩して消化器系疾患ないしそれに関連したものに応用されている。
 一方,近年酵素を生体の組織に注入するという試みが行なわれるようになつた。その最初のものとしてはピアルウロニダーゼを局所に注入し,輸液の吸収促進などの目的に用いたことであろう。ごく最近にいたると本稿で問題にしようとするある種の加水分解酵素を全身的に投与するということが試みられ,主として"Anti-inflammatory effect"(抗炎症作用)を目的としてかなり広く臨床応用されるようになつて,いわば近代的な"酵素療法"とでもいうべき分野を開くに至つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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