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文献詳細

雑誌文献

生体の科学15巻3号

1964年06月発行

文献概要

特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム

細胞顆粒,ことにmicrosomeの生化学的機能

著者: 箸本雄吉1

所属機関: 1日大医学部生化学

ページ範囲:P.114 - P.118

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 電子顕微鏡技術の発達にともない,光学顕微鏡では認め得なかつた種々の微小有形成分が細胞内に存在することが明らかにされた。microsomeもこのようにして発見されたものの一つであるが,mitochondriaとならんで細胞質における重要な小器官の一つにあげられている。これは各種細胞内に存在しているが,その量および性状は細胞の種類により,かならずしも一様ではない1)-3)
 microsomeの生化学的研究は電子顕微鏡による形態学的検索を併用することにより進められ,多くのことが次第に明らかにされつつあるが,mitochondriaにおける機能ほどには明らかでない。超遠心法により分離されたmicrosome分画は電子顕微鏡的にはendoplasmic reticulum4)-6)といわれているものであるが,Palade2)はこれをさらにsmooth surfaced microsome(SM)と,rough surfaced microsome(RM)とにわけた。後者はその表面にribosomeを有するために顕微鏡的に粗な感じを与え,前者はribosomeを欠いているために滑らかな感じを与える。この両者は密度こう配分画法7)-9)により分離することができる。第1表はかかる密度こう配分画法の一例で,Fouts7)の方法に改良を加えた私共の分画法10-12)である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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