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Rabbit Ear Chamber法により観察した高温環境の微細循環に及ぼす影響について
著者: 浅野牧茂1 吉田敬一1 田多井吉之介1
所属機関: 1国立公衆衛生院生理衛生学部
ページ範囲:P.245 - P.251
文献購入ページに移動1)平常環境温度(22±2.2℃)下で飼育された家兎では,REC内微細循環は20〜25℃の平常温度環境でほぼ20〜50秒の周期で血管径と血流量の増減をくり返すが,急性高温曝露時は全般的に血管径,血流量ともに増加し,周期性は不整となり,40℃に至つて血管径は極度の拡張を持続し迅速な搏動性血流が持続した。しかし,耳朶皮膚温度の上昇にもかかわらず直腸温は一定を保つた。この際,平常温度では正弦波様カーブを示したMPPGは基線レベルの上昇した周期変化の認め難い脈波の記録となつた。これは微細血管網内循環血液量の増加をよく示す所見である。
2)亜急性高温曝露(28℃,1週間)によつてREC内微細循環網におけるvenuleとarterioleの血管床面積比(V/A)は平常環境温度下で飼育された時の値より大となる血管網構築の変容を示した。また,これを平常温度下に戻すとV/Aは同様の日時経過で高温負荷前の値に近づいた。
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