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器官培養Organ culture装置について
著者: 佐藤温重1 田中邦男2 須田立雄3 小林貴子1 麻生田亮1 岡田正弘2
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部硬組織生理研究施設 2東京医科歯科大学医学部薬理学教室 3東京医科歯科大学歯学部生化学教室
ページ範囲:P.252 - P.256
文献購入ページに移動いわゆるtissue cultureの領域においては,細胞レベルでのそれが今日の主潮をなしているが器官あるいは組織としてはじめて発現される細胞の機能代謝の研究にとつて器官レベルでの培養は意義深いものがある。特に単離した細胞の培養ではそれが由来した組織の機能の特異性が欠除または潜伏するに対し—たとえばヒトの4種の株細胞は栄養要求,酵素活性,薬物に対する感受性が等質になる1)—細胞の再集合体(reaggregate)組織片の培養においては,細胞の分化,機能の発現がみられることは器官レベルでの培養法を再認識させるものがある。
又じゅうらい器官培養では生長,機能の指標が不明確であることが指摘されているが,アイソトープの利用,微量分析法の進歩はこの点に解決を与えている。
最近骨,皮膚,内分泌腺,肝,腎,脾などの器官培養がおこなわれるのは器官固有の代謝あるいはこれと深い関係を有する現象の研究にとり機能代謝の発現維持の良好である器官培養が有利であるという考えに立脚している。こうした器官培養法の応用性の拡大はChen2),Trowell3)らによつてなされた方法上の進歩に負うといえる。筆者らはTrowell型の器官培養装置を改変し,これにより二,三組織の培養を試み良好な結果をえたのでその装置の大要,使用手順,および問題点を指摘してみたい。
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