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文献詳細

雑誌文献

生体の科学16巻1号

1965年02月発行

文献概要

実験講座

電子計算機(1)

著者: 清水留三郎1

所属機関: 1東京大学計算センター

ページ範囲:P.41 - P.43

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 はじめに
 じゆうらい卓上計算器で行なわれていた計算は,今や電子計算機でその大部分が行なわれるようになつている。電子計算機は単に卓上計算器に取つて代わつたのみならず,その驚異的な計算の速さで計算の質,ひいては研究の質を大幅に向上させている。すなわち今まで計算能力の制約から発展の道の閉ざされていた研究が改めて進められている。たとえば微分方程式を道具にしている分野では解析解が知られていない非線型微分方程式の性質も解析解のある場合と大差なく知ることができるようになり対象とし得る物理現象の範囲が拡大されている。このように電子計算機が計算の道具としてばかりではなく,研究の道具として用いられて来つつあるのは理学あるいは工学に限られてはいない。その他の分野の中で電子計算機の積極的利用が特に盛んなのは医学であり,アメリカの計算機の学会誌にも,"医学への応用"という常設欄が設けられている程である。ところがアメリカにくらべて日本での電子計算機の医学への応用はまだほとんど行なわれていない現状である。そこで医学者の方々に電子計算機とはいかなる装置であり,いかに動作するか,またそれを利用するにはどうすればよいかをここで説明して,電子計算機の積極的利用を勧誘したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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