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文献詳細

雑誌文献

生体の科学16巻4号

1965年08月発行

文献概要

綜説

脂肪組織の生化学

著者: 大野公吉1 横山彰1

所属機関: 1札幌医科大学生化学教室

ページ範囲:P.168 - P.176

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 まえがき
 脂肪組織,adipose tissueは動物体内のある特定の場所に局在する細胞群からなる。その細胞は主として脂肪を蓄える役割を有し,したがつて脂肪細胞,adiposecellまたはfat cellと呼ばれる。しかし脂肪組織には豊富に毛細血管が分布しているので,血管内皮細胞(en_dothelial cell)が脂肪細胞と共に主要な構成要素である。なお,ある脂肪組織では上記の2種の細胞の間に肥胖細胞,mast cellの存在がしばしば認められる1)。なお,脂肪組織には交感神経の末梢枝が豊富に分布し2),その末端は脂肪細胞や毛細血管には直接関連なく,主として小動脈および静脈,特に後者の血管壁を取り囲んでいる。
 脂肪細胞,adipose cellは間胚葉,mesenchymeに発生的起原を有し,脂肪沈着以前には他の間胚葉性細胞,mesenchymal cellから区別され難い3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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