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文献詳細

雑誌文献

生体の科学16巻5号

1965年10月発行

文献概要

主題 免疫

抗体の構造

著者: 橘武彦1

所属機関: 1国立がんセンター研究所

ページ範囲:P.222 - P.231

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 抗体はそれに対応する抗原と特異的に反応する特性をもつた蛋白質で,血清中の主としてγ2グロブリンにあることは,1937年Tiseliusによつて彼の電気泳動法ではじめて認められた。もつとも遅い易動度をもつた分子量15万の7Sグロブリンで総γグロブリン量の85〜90%を占める。また超遠心法が発達して7Sグロブリンより大きな分子量(90〜100万)をもつた,より早い易動度を示すγ1M,β2Mまたは19Sγグロブリンが第2の抗体分画として認められた。さらにGrabarとWilliams1)が免疫電気泳動法を創案し,これを用いてはじめてγ1Aまたはβ2Aグロブリンの存在を認め,のちに抗体活性が証明された2,3)。このグロブリン分画は7S-15Sと分子量の不均一なグロブリンである。これら3群の血清グロブリンは全て抗体蛋白とみなされる。たとえば無菌飼育動物では正常の10%にもみたないグロブリンが,普通の環境に動物がさらされると急激にγグロブリンの増加をきたすことから当然推定されよう4)。その意味でこれら蛋白を免疫グロブリン,(Immunoglobulin)と総称し5),最近WHOの提唱6)によつてIgと略記し,γ2,γ1A,γ1MグロブリンをそれぞれIgG IgA,IgMと呼ぶことになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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