文献詳細
主題 免疫・2
文献概要
古く1874年にTraubeは新鮮血液が種々の細菌を殺すことを見出しているが,1880年代になると,Buchner,von Fodor,Nuttalらにより新鮮血清による殺菌作用の研究が行なわれこの作用が血清を長く保存したり56°Cに加熱したりすると失なわれることを見出している。1893年から数年間PfeifferおよびIssaeffはコレラ菌で免疫したモルモットの腹腔内にコレラ菌浮遊液を注射し,経時的に腹腔液をとり出して検鏡するとコレラ菌は漸次運動性を失ない膨大して球状体(spheroplast)になり,ついで菌体の破壊が認められた(Pfeiffer現象,免疫溶菌現象immune bacteriolysis)。つづいてBordetはin vitroで免疫血清が細菌を溶菌および殺菌することを見出し(immune bacteriolysis in vitro),この作用は血清を56℃に加熱することにより失なわれる(非働化,inactivation)が,もしこの加熱免疫血清に新鮮正常血清を加えるとこの作用が回復されることを示し,免疫血清中には溶菌現象に関与する少なくとも2つの因子が存在することを明らかにした。
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