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主題 筋細胞の興奮性
平滑筋における興奮と抑制
著者: 栗山煕1
所属機関: 1九州大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.12 - P.24
文献購入ページに移動 平滑筋についてはいろいろの観点から毎年いくつかの総説が報告されている。1964年に発表されたSchatzmannの"Erregung und Kontraktion glatter vertebralen Muskeln"には平滑筋について最新の知見が網羅されており,また研究の現状に対して適確な批判も述べられている。したがつて今さらくり返し述べる必要はないと思われる。そこでここではそこに疑問とされた問題やまた最近の研究によつて得られた興奮と抑制の機序の新しい説明について述べる。たしかにこの領域の学問の発展はめざましいものがあり,数年前に知られていたよりももつと複雑な像を示すようになつてきている。そのかわり今まで不合理に解釈されたりあるいは逆に解釈されていた現象を正しく説明することができるようになつた。
平滑筋の種類のなかには抑制され得る型のものが存在し,この型の平滑筋では興奮は自働的に発生する(第1図参照)。またそうでない型の平滑筋では興奮は神経のインプルスに由来する(第2図参照),この現象は骨格筋の運動終板でみられるものと同様な過程によると考えられる。もちろんだからといつて平滑筋における神経支配に関する研究が不心要だというのではない。むしろ最近の電気生理学的研究と電子顕微鏡学的組織学の発展とあいまつて機能的に不明な問題点が明瞭になつてきた。
平滑筋の種類のなかには抑制され得る型のものが存在し,この型の平滑筋では興奮は自働的に発生する(第1図参照)。またそうでない型の平滑筋では興奮は神経のインプルスに由来する(第2図参照),この現象は骨格筋の運動終板でみられるものと同様な過程によると考えられる。もちろんだからといつて平滑筋における神経支配に関する研究が不心要だというのではない。むしろ最近の電気生理学的研究と電子顕微鏡学的組織学の発展とあいまつて機能的に不明な問題点が明瞭になつてきた。
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