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主題 筋細胞の興奮性
Ca—スパイクの生理と薬理
著者: 萩原生長1 中島重広2 高橋国太郎1
所属機関: 1 2順天堂大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.25 - P.34
文献購入ページに移動Hodgkin18)らケンブリッジ学派の提出した,神経興奮に関する「Na学説」は画期的なものであつた。しかしながらた近年,種々の興奮性組織について「Na学説」と一見矛盾する事実が,つぎつぎと発見されてきた。その中の重要な問題の一つは,「Naなし興奮」という現象であろう。古くから,Lorente de Nóらは27,28),蛙の神経線維の興奮性が,外液のNaがない場合でも,4級アンモニウムイオンや,その他のonium ion中で,保たれているという事実を報告してきた。この系列の研究は,Koketsu22-25)らに引きつがれ,さらに最近ではTasaki,Slnger,and Watanabe43)が,巨大神経軸索灌流法という,もつとも進歩した実験法を用いて発展させた。
「Naなし興奮」に関し,もう一つの重要な局面は,二価イオン,特にCaイオンが,Naの代りに,活動電位発生の際の内向き電流を運ぶことが,数種の材料について見出されてきたということであろう(以下これをCaスパイクと呼ぶ)。
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