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文献詳細

雑誌文献

生体の科学17巻2号

1966年04月発行

文献概要

総説

シナップス前抑制と樹状突起性抑制

著者: 古河太郎1

所属機関: 1大阪市立大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.54 - P.65

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 緒言
 Frank & Furotes(1957)はネコの二頭半腱様筋に刺激を与えるとき,腓腹筋の運動ニューロンの単シナップス反射に特殊な抑制がおこるのをみた。すなわちその当時すでによく知られていたシナップス後抑制(postsynaptic inhibition)とことなり,この抑制にさいしては当該運動ニューロンの細胞内部から抑制性シナップス後部電位(IPSP)が記録されず,またその細胞の興奮性を直接刺激により検査する場合にも何ら興奮性の低下を検出することができなかつた。これらの点から通常のシナップス後抑制とことなつて抑制の作用部位は恐らく単シナップス反射のシナップス前線維にあると推測し,シナップス前抑制(Presynaptic inhibition)と呼んだ28)。この哺乳類中枢神経におけるシナップス前抑制についての研究はその後Ecclesの研究室およびその他2,3の場所で詳細に行なわれ,今日ではそれが抑制機序ならびに機能的役割の上からシナップス後抑制とは全然ちがつたカテゴリーに属する抑制として認められるに到つている。またシナップス前抑制は無脊椎動物の神経系についてもその存在が知られている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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