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総説
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肺呼吸を営む高等動物の安静時における呼吸運動は呼吸筋群の統合された律動的収縮により維持される。この両筋群に周期的に神経衝撃を送り出す神経機構の局在を明らかにするためにLegallois(1812),Flourens(1851)ら以来多くの研究が行なわれてきた。このように一世紀余にわたる研究にもかかわらず,呼吸中枢の局在,中枢の律動性を形成し,維持する神経機構,およびその調節に関与する機序に関しては今日なお意見の一致がみられない。
呼吸生理学の研究領域であつかわれる諸問題のうち,この論述では呼吸中枢の局在および神経機構に関する問題を中心に,これに関連する呼吸調節の機序の一部について,これまでの研究ならびに我々自身の行なつた実験成績について述べ,今後の問題の所在を明らかにしてみたい。なお,呼吸調節機序全般に関する論述にはCampbell37),Liljestrand92),Oberholzerら104),Paintal108)Wyss141,144)のものがある。
呼吸生理学の研究領域であつかわれる諸問題のうち,この論述では呼吸中枢の局在および神経機構に関する問題を中心に,これに関連する呼吸調節の機序の一部について,これまでの研究ならびに我々自身の行なつた実験成績について述べ,今後の問題の所在を明らかにしてみたい。なお,呼吸調節機序全般に関する論述にはCampbell37),Liljestrand92),Oberholzerら104),Paintal108)Wyss141,144)のものがある。
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