文献詳細
文献概要
主題 微小循環
毛細血管の血管構築
著者: 小川義雄1
所属機関: 1横浜市立大学体育医学教室
ページ範囲:P.154 - P.167
文献購入ページに移動 まえがき
心臓からでた動脈系が毛細血管系となり,さらに静脈系を経て心臓に還る循環路のうち,毛細血管領域は灌漑する組織,器管により,その分布様相が種々で,それぞれの組織,器管の機能に応じた合目的な形態変動を示すものと考えられる。
一般に毛細血管領域とは内皮細胞,基底膜およびこれらを取りまく少量の結合組織から成る管腔で,組織細胞と血液との間の物質交換が行なわれる部位であり,組織,器管によりその機能に相違のあるごとく,血管壁構造にも当然差異が認められる。最近の電子顕微鏡的な検索ではその詳細な観察像が図示され1),またこのような血管壁構造の差異は,毛細血管領域における分布様相にも関連し,その循環路は簡単な,平面的な網目を形成するものから,複雑な,立体的な網工を示すものへと形態変化を伴つているようである。この毛細血管領域における循環路の変化を,それぞれの組織器管ごとにまとめて相互に比較し,機能に応ずる合目的な分布形態をみようという試みが,臓器組織における毛細血管の血管構築的な検索となるのである。
心臓からでた動脈系が毛細血管系となり,さらに静脈系を経て心臓に還る循環路のうち,毛細血管領域は灌漑する組織,器管により,その分布様相が種々で,それぞれの組織,器管の機能に応じた合目的な形態変動を示すものと考えられる。
一般に毛細血管領域とは内皮細胞,基底膜およびこれらを取りまく少量の結合組織から成る管腔で,組織細胞と血液との間の物質交換が行なわれる部位であり,組織,器管によりその機能に相違のあるごとく,血管壁構造にも当然差異が認められる。最近の電子顕微鏡的な検索ではその詳細な観察像が図示され1),またこのような血管壁構造の差異は,毛細血管領域における分布様相にも関連し,その循環路は簡単な,平面的な網目を形成するものから,複雑な,立体的な網工を示すものへと形態変化を伴つているようである。この毛細血管領域における循環路の変化を,それぞれの組織器管ごとにまとめて相互に比較し,機能に応ずる合目的な分布形態をみようという試みが,臓器組織における毛細血管の血管構築的な検索となるのである。
掲載誌情報