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文献詳細

雑誌文献

生体の科学17巻5号

1966年10月発行

文献概要

主題 微小循環

微小循環の研究方法

著者: 入沢宏1 二宮石雄1

所属機関: 1広島大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.206 - P.213

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 従来,微小循環の研究は顕微鏡による血行の観察または大きな血管を含む末梢血管の血流量や容積変化の測定から微小血管野の諸現象を類推するという方法をとつてきたために,直接微小血管系の物理的な計測は十分な検討が行なわれなかつた。この論議はWiederhielm,Rushmerらによつて主として発展された電気的方法および筆者ら自身の方法を紹介し,微小循環の研究には積極的な新方法のとり入れと現象の物理学的な整理の方法とが望ましいことを述べている。
 微小循環という特殊な学問の分野が多くの人々に認識せられるようになつた理由を考えてみると,多くの末梢循環調節についての概念が,比較的口径の太い管系(すなわち動脈や静脈)の内圧や流量の測定を基にして組立てられており,その間にある微小循環内の諸現象は外挿的に想像考察し,顕微鏡的にしか観察できない毛細血管流域の血流についての知識は全く欠如していたため,特に再検討の必要性が生まれたと思われる。それでは,微小循環については全く研究がなかつたかといえば,歴史的には顕微鏡の進歩と共にきわめて古くから血行の観察がなされていたことは,西丸の綜説1)2)に明らかな通りである。現在でも,医学や生物学の各分野で微小循環系への興味はきわめて多く,あるいは形態学的に,あるいは生理学的にまたは臨床医学的に研究が行なわれていることは周知の通りであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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