文献詳細
文献概要
主題 微小循環
病的血管透過とその問題点
著者: 林秀男1
所属機関: 1熊本大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.269 - P.273
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"微小循環"は,本誌でもくりかえし,その主題としてとりあげられ,この問題の影響する領域,研究方向への指示など,いろいろな形でよく討議されてきたように思われる。著者は,あたえられた課題,"病的条件における微小循環",とくに血管透過性の亢進を中心として,この問題への接近方法を,主としてわれわれの経験を軸として考えてみることにする。この問題はまず,現象の場としての血管の部位,その形態が解析されなければならない。さらに,その形態変化をひきおこすべきnatural mediatorを追求しなければならない。したがつて,ここには形態学と生化学の直結が不可欠になる。このような直結をどのように展開していくか,これが著者にあたえられた課題といえよう。もちろん,この本質的な,しかも困難な問題を理解し,納得するには,得られたデーターはあまりにすくないといわなければならない。まさしく"これから"の課題であり,読者諸賢のフランクなお批判をつよく期待する所以である。
この小論では,特別な場合をのぞき,文献的な考察をできる限りひかえることにした。その理由は,すでにすぐれたいくつかの綜説があるからで,著者はむしろ,かくされた重要な問題のいくつかを考えることにしたのである。
"微小循環"は,本誌でもくりかえし,その主題としてとりあげられ,この問題の影響する領域,研究方向への指示など,いろいろな形でよく討議されてきたように思われる。著者は,あたえられた課題,"病的条件における微小循環",とくに血管透過性の亢進を中心として,この問題への接近方法を,主としてわれわれの経験を軸として考えてみることにする。この問題はまず,現象の場としての血管の部位,その形態が解析されなければならない。さらに,その形態変化をひきおこすべきnatural mediatorを追求しなければならない。したがつて,ここには形態学と生化学の直結が不可欠になる。このような直結をどのように展開していくか,これが著者にあたえられた課題といえよう。もちろん,この本質的な,しかも困難な問題を理解し,納得するには,得られたデーターはあまりにすくないといわなければならない。まさしく"これから"の課題であり,読者諸賢のフランクなお批判をつよく期待する所以である。
この小論では,特別な場合をのぞき,文献的な考察をできる限りひかえることにした。その理由は,すでにすぐれたいくつかの綜説があるからで,著者はむしろ,かくされた重要な問題のいくつかを考えることにしたのである。
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