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文献詳細

雑誌文献

生体の科学18巻1号

1967年02月発行

文献概要

アンケート・13

放射線障害の作用機構について

著者: 江上信雄1 本城市次郎2 栗冠正利3 吉永春馬4 田島弥太郎5 竹下健児6 森田敏照7

所属機関: 1放射線医学総合研究所・生物研究部 2阪大理学部生物学教室 3東北大放射線基礎医学教室 4九大放射線基礎医学教室 5国立遺伝学研究所 6広島大原爆放射能医学研究所 7京大理学部放射線生物学教室

ページ範囲:P.44 - P.47

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 放射線照射に対し生物(以下ヒトを含めてこうよぶ)は,物理・化学的反応より,一般に低い線量で反応を示し,それは多くの場合障害的形態をとります。以下このような高感性で障害的生物反応に限定して問題を提起します。
 1.放射線障害の初期的原因の生じる主要な部位(標的:target)は染色体(またはDNA)であるという最近の一般的考え方を否定する決定的証拠があるでしようか?
 2.放射線による障害生成の過程には放射線以外の作用源(化学物質など)で類似できないような独特な段階があるでしようか?
 3.放射線障害の生成過程または障害そのものの特性は何でしようか?
 4.最近,微生物には放射線障害を回復する酵素的機構が存在することが実証され注目されていますが,その一般性の見透しと,このような分子生物学的研究の価値はどんなものでしようか?
 5.放射線障害の作用機構は複雑でよくわかつていませんが,放射線物理的化学的,生化学的および生物的段階のうちどの点がわかつていないことが,一番の研究のさまたげになつているでしようか?
 6.放射線障害の作用機構の一般的生物医学上の位置はどんなものでしようか?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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