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文献詳細

雑誌文献

生体の科学18巻3号

1967年06月発行

文献概要

解説講座 対談

止血機構をめぐつて(2)

著者: 浅田敏雄 江橋節郎

所属機関:

ページ範囲:P.151 - P.156

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 血小板の意義
 江橋 それから,血小板の機能につきまして。昔は非常に血小板の機能が重要視された。ところが耳にはさんだ所では,血小板というものの役割はどうもはつきりしないということをよく聞くのですが,血小板がなくてはやはり凝固は起こらないものでしようか。それとも血小板というものはある程度役割をはたすけれども,不可欠のものではないという……。どつちなのでしようか。たとえば先程お話があつたthrombopeniaでは血液の凝固にそれほど支障はない,というふうな点……。
 浅田 ですから血小板の数が非常に減少しても,血小板の関与する血餅退縮現象は非常に落ちてきますけれども,凝固のほうはあまり凝固時間の延長は見られない。しかしその場合でも数からいえば相当ありますので,有効量の10倍も20倍も上回つているくらいの量で,われわれはたつぷり血小板をこの凝固系には持つているという意味で……。もう一つはplasmaを血小板freeにするということが普通の遠沈操作ではほとんど困難なわけです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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