文献詳細
文献概要
主題 視覚 無脊椎動物の光受容機構—構造と機能
軟体動物
著者: 田崎京二1
所属機関: 1東北大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.166 - P.176
文献購入ページに移動 Ⅰ.軟体動物視覚系の構造
軟体動物視覚系の特徴は,まず第一に網膜の著しく簡単な構造である。第1図に頭足類のタコの視覚系の模式図を示してあるが,イカでもまつたく同様である。図から明らかなように頭足類の眼は無脊椎動物の中で最大のものであり,光学系は角膜,瞳孔,レンズ,硝子体などからなり脊椎動物のものと大差ない。ただし脊椎動物では眼の調節をレンズの曲率半径を変化させて行なつているのに対し,頭足類では眼球の前後径の変化によつていることは一層写真機に似ているといえる。
網膜に投射する光の強弱によつて瞳孔の大きさが変わる(瞳孔反射)ことも脊椎動物と同様であるが,縮小した瞳孔はスリット状で頭の位置,方向にかかわらず常に水平方向を向くように調節されていることも特徴的である37)(後述)。
軟体動物視覚系の特徴は,まず第一に網膜の著しく簡単な構造である。第1図に頭足類のタコの視覚系の模式図を示してあるが,イカでもまつたく同様である。図から明らかなように頭足類の眼は無脊椎動物の中で最大のものであり,光学系は角膜,瞳孔,レンズ,硝子体などからなり脊椎動物のものと大差ない。ただし脊椎動物では眼の調節をレンズの曲率半径を変化させて行なつているのに対し,頭足類では眼球の前後径の変化によつていることは一層写真機に似ているといえる。
網膜に投射する光の強弱によつて瞳孔の大きさが変わる(瞳孔反射)ことも脊椎動物と同様であるが,縮小した瞳孔はスリット状で頭の位置,方向にかかわらず常に水平方向を向くように調節されていることも特徴的である37)(後述)。
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