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文献詳細

雑誌文献

生体の科学18巻4号

1967年08月発行

文献概要

主題 視覚 無脊椎動物の光受容機構—構造と機能

昆虫

著者: 桑原万寿太郎1

所属機関: 1九州大学理学部生物学教室

ページ範囲:P.192 - P.202

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 Ⅰ.昆虫複眼の構造と機能
 1.光学系と視細胞
 昆虫の成虫の主要光受容器は複眼である。複眼は個眼(ommatidium)といわれる単位構造の集りである。個眼は典型的な例を示せば第1図のような構造をもつ。もつとも表面には角膜レンズ(corneal lens)があり,複眼表面からみると,角膜レンズがビッシリつまつて六角形の網目にみえる。この角膜レンズを分泌する細胞はごく原始的なある種の昆虫を除いては,角膜レンズのつぎにくる円錐晶体(crystaline cone)の縁にあり,色素粒をふくみ,角膜色素細胞(corneal pigment cells)といわれる。
 角膜レンズは近紫外部までの光を透過させるが,ある種の昆虫ではその表面は0.2μ程の高さの乳首状の突起でおおわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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