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巻頭言
学問の自由と研究費
著者: 藤村靖1
所属機関: 1東京大学
ページ範囲:P.221 - P.221
文献購入ページに移動 学問に国境はなく,大学には自治がある。これは社会一般のいろいろな実状からみれば,現実離れのした虫の良い話のようであるけれども,やはり学術の要求する最低限必要な環境条件だと思う。いわばこれは大学における学問の憲法である。
学問は本質的に欲張りなものであり,勝手であり,贅沢である。それは既成の知識のすべてを自由に使うことを当然と心得,しかも何らの権威に束縛されることをも拒否する。それは正に自由の精神そのものであるといつてもよい。それ故にこそ,学者は生活の不自由を厭わず,世俗の権力につかない風を持してきた。
学問は本質的に欲張りなものであり,勝手であり,贅沢である。それは既成の知識のすべてを自由に使うことを当然と心得,しかも何らの権威に束縛されることをも拒否する。それは正に自由の精神そのものであるといつてもよい。それ故にこそ,学者は生活の不自由を厭わず,世俗の権力につかない風を持してきた。
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