icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学18巻5号

1967年10月発行

文献概要

解説講座 対談

糖の輸送について(2)

著者: 星猛1 酒井文徳2

所属機関: 1東京大学生理学教室 2東京大学薬理学教室

ページ範囲:P.248 - P.251

文献購入ページに移動
 非電解質輸送のNa依存性の本態
 星 もう一つそういう非電解質の輸送について興味のあることはPAH分泌などもNa-dependentであるということです。Csákyがいっているように,非電解質の能動輸送にNaが必要だということは,Naが細胞の中に入つて細胞の中のNa濃度がある程度あがることが必要なのだとの見解がありますね。そうすると膜のNa-K依存性のATPaseが働いて……。遊離されたエネルギーによつて一つの"general pump"が働くと考えるわけです。そのポンプのところに入つてきたものは何でもかんでもみんなnon-specificにactiveに出すというわけです。輸送系のselectivityを決定するのは,その段階のもう一つ外側にselectiveな透過性,またはcarrier機構を考えれば,特殊のものだけがuphillに輸送されることが説明できるわけです。これに類したことがまた最近Ussingによつて報告されていますが,蛙の皮を高張液で処理しますと,蔗糖を一見,能動輸送のように体内にとり入れるようになることが判つてきました。Ussingはこれをanomalous transportと呼んでいますが,同様の機構を考えているようです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら