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文献詳細

雑誌文献

生体の科学18巻6号

1967年12月発行

主題 GABA(2)

ザリガニ神経筋接合部に及ぼすGABAの作用

著者: 竹内昭1

所属機関: 1順天堂大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.297 - P.301

文献概要

 γ-アミノ酪酸(GABA)は,過去10年あまり多くの研究者の注意を集め,これについて膨大な研究が行なわれてきた。この理由の一つは,この物質がまだ伝達物質不明のシナプス,主として中枢神経系の伝達物質として働いているのではないかと想像されたからであろう。GABAはすでに1950年数名の研究者によつてそれぞれ独立に中枢神経系で発見された1)2)。しかしながらこのアミノ酸の生理学的重要性が認められるのにはさらに数年の歳月を要した。アミノ酸の中枢神経系に対する興奮もしくは抑制作用はHayashi3)によつて初めて報告され,その後中枢神経系に対するアミノ酸の生理学的作用が多くの研究者によつて追求された。しかし,薬物の投与方法および中枢神経の活動の記録方法が適当でない場合には,脳の構造の複雑さによつてその効果の判定が困難である。近年薬物を微小電極から電気泳動的に1個もしくは数個の神経細胞に与え,これによつて起こる電気変化を,微小電極でその細胞から記録することによつて,この問題は非常に改善された。この方法を用いてCurtisら4)は各種の薬物の中枢神経系に対する作用を調べた。彼らは数本の微小パイペットを熔して作つた特殊な微小電極を用いて,膨大な種類の薬物を中枢神経細胞に与えた。そして自然界で得られるアミノ酸の中でグルタミン酸およびGABAが神経細胞に対してもつとも強力な興奮および抑制作用を持つことが認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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