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巻頭言
超マクロの生物学
著者: 佐々学1
所属機関: 1東京大学医科学研究所
ページ範囲:P.101 - P.101
文献購入ページに移動 新しい生物学の研究は,ミクロからさらに超ミクロ,超々ミクロの世界へと進みに進んで,まことに目ざましい成果をあげている。それは,電子顕微鏡の進歩と普及で,超微細構造がいろいろな生物,いろいろな組織や細胞で解明されていくばかりでなく,分子レベルでの生物化学がとくに近年においてすばらしい進展を見せているからである。
こうした潮流は私どもが相手にしている寄生虫学という分野にもようやく流れこんで来た。電子顕微鏡による超微細構造がいろいろな寄生虫でわかつてきただけでなく,免疫学の進歩に伴つて,微量の抗体や抗元を用いての反応がしらべられるようになり,寄生虫感染にもはつきりした抗元抗体反応が現れることがいろいろな面で証明されてきつつある。うちの研究室でも,乏しい予算をやりくりして,小型の電子顕微鏡をそなえたり,微量の免疫反応をしらべるのに必要な器具をそろえたりして,ようやく近代生物学の仲間に入れてもらえそうな体制をつくつて,ほつとしたところである。
こうした潮流は私どもが相手にしている寄生虫学という分野にもようやく流れこんで来た。電子顕微鏡による超微細構造がいろいろな寄生虫でわかつてきただけでなく,免疫学の進歩に伴つて,微量の抗体や抗元を用いての反応がしらべられるようになり,寄生虫感染にもはつきりした抗元抗体反応が現れることがいろいろな面で証明されてきつつある。うちの研究室でも,乏しい予算をやりくりして,小型の電子顕微鏡をそなえたり,微量の免疫反応をしらべるのに必要な器具をそろえたりして,ようやく近代生物学の仲間に入れてもらえそうな体制をつくつて,ほつとしたところである。
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