文献詳細
文献概要
実験講座 細胞内成分の分画・7
動物細胞核分離法および脳細胞核の分別分離法(2)
著者: 加藤尚彦1
所属機関: 1東京大学医学部脳研究所
ページ範囲:P.191 - P.199
文献購入ページに移動 脳細胞核の分別的分離法
前述のように脳組織はノイロンと3種のグリア細胞が構成要素をなし,ノイロンの軸索をおおう大量の髄鞘(ミエリン)と毛細血管の複雑な網目の中に埋つている。ミエリンはホモジナイズするとき種々の大きさに切れ,核分画の中に混入したり,重層濾過法では重層の境界に集つて障壁をつくり核の沈降をふせぐ。毛細血管も種々の長さに切ねて核に近い比重をもち,核分画に混入する。さらに得られる核標品はノイロン核と3種のグリア核からなり,一様な細胞核群として扱うのでは後述のように生物学的には意味がない。したがつて他臓器に用いる方法はそのまま応用できず,後に述べるような種々の工夫が必要である。
前述のように脳組織はノイロンと3種のグリア細胞が構成要素をなし,ノイロンの軸索をおおう大量の髄鞘(ミエリン)と毛細血管の複雑な網目の中に埋つている。ミエリンはホモジナイズするとき種々の大きさに切れ,核分画の中に混入したり,重層濾過法では重層の境界に集つて障壁をつくり核の沈降をふせぐ。毛細血管も種々の長さに切ねて核に近い比重をもち,核分画に混入する。さらに得られる核標品はノイロン核と3種のグリア核からなり,一様な細胞核群として扱うのでは後述のように生物学的には意味がない。したがつて他臓器に用いる方法はそのまま応用できず,後に述べるような種々の工夫が必要である。
掲載誌情報