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文献詳細

雑誌文献

生体の科学19巻5号

1968年10月発行

文献概要

実験講座 細胞内成分の分画・9

色素顆粒の調製法

著者: 清寺真1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.233 - P.239

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 色素細胞1)2)は発生学的に神経櫛に由来する細胞で広く動物界一般に存在している細胞である。そしてその外被の色彩をいろいろと形成する役目をしているその種類は非常に多くほとんどあらゆる色調がみられるがこの中で現在もつともよく解明せられているのが黒褐色の色素メラニンを生成するメラノサイトである。また魚類の赤ないし黄色の色素はxanthophoreやerythrophoreによつて生成されるカロチンやプテリンである事もわかつてきている3)。ここに記述しようと思う色素顆粒とはしたがつて主にメラニン顆粒についてである。
 今から約10年前頃には動物の皮膚,毛根,脳などに認められる黒褐色の色素穎粒はこれを総称してメラニン顆粒とよんでいた。ところが電子顕微鏡の発達により細胞内の微細構造が明らかになつてくるに及び光学顕微鏡下に認められたメラニン顆粒は主に上皮では基底細胞,毛根皮質細胞,真皮では組織球に含まれるmelanosome4)が数個集合した塊,ないしはmelanosome complex5)―一種のlysosome―である事が明らかとなつてきた。そしてまたメラニン生成をいとなむ細胞:メラノサイトの微細構造6)7)8)9)10)が明らかとなり,さらにこの細胞の生化学的検索11)12)が行なわれるに及んでメラニン顆粒の生成される過程がほぼわかつてきた。ここで少しメラニン顆粒について説明をしておきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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