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文献詳細

雑誌文献

生体の科学19巻5号

1968年10月発行

文献概要

解説講座 対談

逆説睡眠について(2)

著者: 時実利彦1 島津浩1

所属機関: 1東京大学医学部脳研究所

ページ範囲:P.240 - P.244

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 睡眠の体液説
 島津 先ほど,睡眠の体液説というお話が出て,その例としてコリン作動性物質などを直接脳に入れて睡眠を起こすことができるということですが,もしこういう物質が,シナプスの伝達物質,あるいはそれに関連する物質であれば,それは脳の電気的な刺激と同じことになつてしまうわけで,これを体液説の根拠にできるかどうかは問題だと思います。ただそこにインパルスがいけば遊離される物質をたまたまそこへ入れたというだけになりますから。もう少し体液説に関連の深いような実験的な研究があるのでしようか。
 前に先生のところで低級脂肪酸を注射すると,はじめオーソ睡眠,つづいてパラ睡眠が起こつてくることをみておられましたね。こういう物質はもし注射したときのような高濃度では体内に普通にはないとすれば,麻酔薬というべきなのかどうか議論がでてくると思います。また麻酔薬と正常睡眠との関係ということになりますと,非常に複雑な問題があると思いますが,その辺についての先生のお考えを……。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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